窓硝子
前髪を切りすぎた。どうにもこうにもやってらんない。
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猫と会話をする夢を見たのは昨夜だと思う。
「君は孤高の人間だ。のびやかに孤独を愛し、しなやかに狗尾草(エノコログサ)にじゃれ、時に鋭い爪を持つ。君は猫族に違いないね」
「猫族?」
「ああ。知ってるかい?この世にある元素の数は決まっているんだ。組み合わせは瞬間ごとに変わっていく。今日の水は明日の君の目かもしれない。僕らの鬚(ひげ)かもしれない。
君の細胞はまだ猫の身体の記憶が疼いているんだね」
「よくわからないよ」
「わからなくても結構。固執は美しいことじゃない。
まあ、つまり君の身体を作る細胞はかつて猫を形作っていたのだよ。」
猫は気取ったように続ける。
「猫の美しさったらないね。誇りをもち、上品に振る舞う。君も猫族であることを誇りに思うべきさ。素晴らしい猫の世界の一員であると同様なんだから」
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ぱちん、と目が覚める。
窓ガラスに映るのはあの人から「ワガママだ」と罵られた冴えないあたしの顔。
「猫族・・・・。」
ワガママと孤高は違うのよ。鋭い爪なんて欲しくもない。
明日、彼に謝ろうと思った。
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